ヨサパークの重要性を確認
最近、がんの予防にも運動は効果があるといわれるようになってきた。
運動する人に大腸がんが少ないのである。
どうして運動は大腸がんを予防するのだろうか。
胆汁酸代謝を改善し、腸の嬬動を促し、排便を促すということは便に含まれる発がん物質の排出を早めることにもなる。
排便を調整し、また腸粘膜のプロスタグランディンE2(免疫抑制物質の一つ、PGE2と略称)の産出を抑えることも大腸がんの予防につながる。
運動によって細胞の遺伝子の損傷を減らし、抗酸化機構が高まることも大腸がん予防に有効に働くといわれる。
大腸がんだけでなく、運動は前立腺がんの予防にもいいともいわれている。
テストステロンの産生を抑えるからといわれる。
適当な運動はさらに乳がん、子宮内膜がん、卵巣がんも抑えるようだ。
運動は脂肪の消費によってエストロジェンの過剰状態を調整し、脂肪の体内分布を改善する。
エストロジェンが脂肪組織から体外に放出されることによって、エストロジェンの関係したがんのリスクを下げるらしい。
肺がんの予防効果があるという人もいる。
運動と一口にいっても、運動の種類とか強さ、運動時間も違うし、個人差もある。
とにかく楽しくできる運動であってほしい。
労働者が激しい労働をするとき、これが果たして運動の効果として期待されるかどうかの報告はない。
進んで楽しくできる運動に越したことはない。
ただし、運動のしすぎはよくないかも知れない。
激しい運動のしすぎは稀ならず突然死など大きな事故の原因にもなりかねないからである。
これは過激な運動によって過剰な活性酸素がつくられるためかもしれない。
過剰な活性酸素はすでにがんをはじめいろいろな疾病の原因になることはよく知られている。
だが一方には激しい運動でも身体にいいという意見もある。
こうなると活性酸素を出す運動が身体にいいという矛盾した話になりかねないが、これは次のような説明がつくのではないか。
つまりスポーツのような激しい運動は活性酸素を出すからその過剰な生産は確かに悪いのだが、激しい運動でもそのマイナス面をカバーしてなお余りある運動のいい面がたくさんあるからではないかということである。
運動を続ける人は時間と気持ちの余裕があるとか、生活のリズムのある人達が多い。
タバコも酒もやらない人が多く、食事にも気をつけている人が多いようである。
つまり運動が身体にいいというのは運動そのものの効果は勿論だが、これに付随したものの効果も無視できないということである。
しかもこれらのよい効果は運動に懸念される悪さ(それが活性酸素によるものとしても)を相殺してなお余りある、あるいはそれ以上にいいものであると考えると整理がつく。
注意すべきことは一つ。
どっちにしても要は本人によくあった運動をすることである。
がんのリスクを上げるものはたくさんあるが、その代表はなんといってもタバコである。
タバコは食品ではないが、単品としてほとんどの臓器のがんのリスクを高める。
一方、食品のなかでは脂肪(肉製品などを含めて)や塩、アルコールが疑われている。
焦げた肉や魚も避けたい食品の一つである。
焦げもののなかにはヘテロサイクリックアミンという変異原性の物質ができて、これががんの原因になることがわかったのは国立がんセンターのS博士らの有名な仕事である。
したがって肉や魚の直火焼は要注意である。
そのほか煉製食品もあまり食べないほうがいいようだ。
カビのはえた食品も要注意とされる。
脂肪性食品は多くの食品のなかでも特に、心筋梗塞・糖尿病やがんなどの生命に関わる慢性病のリスクを高めるだけでなく、肥満の原因ともなる。
脂肪のとりすぎは健康上はもちろん、美容上もよくないとされる。
ただ脂肪が悪いといっても、脂肪の種類とか実際に食べた量にもよる。
最近は脂肪に対する関心も高く、動物性脂肪をできるだけとらない(とくに心筋梗塞の予防のために)だけでなく、植物性脂肪でも古く酸化したような油(古くなった揚げもの食品)に気をつけたほうがいいとされる。
なぜ脂肪が悪いのだろうか。
確かなことはわからないのだが、一つの説明としては脂肪のとりすぎが血中のエストロジェン産生を高めるからではないかと考えられている。
事実、エストロジェンが発がん性を高めることはすでに知られている。
あるいは脂肪のとりすぎは身体の免疫力の維持に大事な免疫細胞の働きを抑えるようなサプレッサー細胞二部のT細胞、マクロファージなど)の働きを高めるからとも言われる。
「動物の脂は身体に悪いが、植物油はコレステロールを下げるから身体にいい」と考えられたことがある。
かつて心筋梗塞やがんで死ぬのは動物の脂肪が悪いからで、代わって植物油(特にリノール酸系列もの)をとるようにすればこれらの病気も減るだろうとの大きな期待があった。
ところが事実は逆であった。
一つはフィンランドにおける研究で、従来通り動物性の脂肪をとる人達と、動物性脂肪をやめて植物油に切り替えた人達との間で比較してみると、植物性の脂肪をとった人にむしろ多かった。
アメリカの臓死もがんも減るどころか、逆に増えたのだ。
植物油なるものを検討してみると、その主体は不飽和脂肪酸だが、このなかの多価不飽和脂肪酸のなかにもリノール酸とアルファリノレン酸とがある。
リノール酸もリノレン酸も似た名前だが、分子構造や体内での働きなど両者は大いに違う。
実は市販の植物油はほとんどリノール酸を主成分とするオメガ6系といわれる脂肪酸(コーン油、ベニバナ油など)で、本来身体の維持に必須のものだが、これのとりすぎが心筋梗塞を起こしたり、がんの発育を促進したりするのではないかというのである。
つまりあれだけいいと信じられてきた植物油の雲行きはあやしくなったのである。
そこでいい植物油はないかと調べていくと、これはオメガ3系のアルファリノレン酸らしいこともわかってきた。
代表的なものはシソ油、亜麻仁油とか魚の油で、その主成分はいずれもオメガ3系の脂肪酸である。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とかEPA(エイコサペンタエン酸)もオメガ3系の脂肪酸である。
オメガ6系が悪いといっても絶対的なものではなく、リノール酸とリノレン酸の混合比率が大切なのであって、N大学薬学部のO教授は食品として両者の比率を三対一程度にとっていれば疾病の予防効果は十分あるという。
さらに伝統食を研究するアメリカのS博士は一対一がのぞましいという。
その比率はともかく今までのようにリノール酸だけをあまりとりすぎてはいけないということのようである。
なぜリノール酸が動脈硬化・心筋梗塞とがんの促進因子になるかというと、リノール酸はアラキドン酸となるからで、これが血栓をつくりやすく動脈硬化と心筋梗塞の原因になる。
アラキドン酸はPGE2を産出し組織の局所環境の免疫力を低下させることで、がんのなかでも欧米に多いタイプの乳がん、大腸がん、眸がんなどをつくりやすいとされる。
アルファリノレン酸にはそのような働きはない。
植物油の精製度も問題となる。
植物油は精製すればで、抗酸化作用からみる限り未精製のもののほうが望ましいという(K大M教授)。
単価不飽和脂肪酸のオリーブ油(そのバージンオイル)は未精製だからいいのかもしれない。
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